12月の旬~河豚(ふぐ)について |
河豚(ふぐ)の毒
・一般的にふぐ毒といえばテトロドトキシンとよばれ、主にふぐの卵巣、肝臓等のキモ(内臓)に多量に含まれ ますが、河豚の種類、生息海域、個体や部位の違いによって、毒力の差が大きいのです。
・ふぐのキモはふぐ調理師免許を持った調理師であっても調理も食べることも禁じられています。
・このため、人の健康を損なうおそれがないと認められるふぐの種類および部位が厚生省から通知されています。ふぐの毒に当たったときの症状は、食後20分~3時間で、唇、舌端のしびれが始まり、ついで指先のしびれ等の麻痺症状が現れ、激しい嘔吐が続きます。さらに、呼吸困難となり死に至ります。ふぐ毒の解毒剤はありませんので、専門店以外でふぐ調理師免許を持った調理師が調理した物以外は絶対に食べないでください。
・でも、同じ内蔵でも白子は例外で、食べても大丈夫な部分。これはトラフグもショウサイフグもほぼ同じで、身まで毒があるのは「毒サバフグやクサフグ」等のふぐで、これは食べることができません。
河豚(ふぐ)の販売営業取締条例
1948年に大阪府が制定した「ふぐ販売営業取締条例」(昭和二十三年大阪府条例第五十五号)が最初。
・ふぐ料理について営業施設・処理施設・調理師等を管理について規定し、各都道府県で「ふぐ調理師」の試験制度など細かな点で違いが存在する。大阪府の条例を例に取ると、ふぐ販売営業を許可制とし、専任のふぐ取扱登録者、ふぐ調理師によるフグ毒を除去する調理と有毒部分の適切な処理を義務付けている。条例で定めていなくても、ふぐ取扱指導要領という形で規定している自治体もある。 |
各都道府県の条例 |
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都道府県 |
条例名 |
1 |
東京都 |
東京都ふぐの取扱い規制条例 |
2 |
埼玉県 |
埼玉県ふぐの取扱い等に関する条例 |
3 |
千葉県 |
ふぐの取扱い等に関する条例 |
4 |
神奈川県 |
神奈川県ふぐ取扱及び販売条例 |
5 |
静岡県 |
静岡県ふぐの取扱い等に関する条例 |
6 |
愛知県 |
愛知県ふぐ取扱い規制条例 |
7 |
富山県 |
富山県ふぐの取扱いに関する条例 |
8 |
石川県 |
石川県ふぐ処理の規制等に関する条例 |
9 |
福井県 |
福井県ふぐの処理に関する条例 |
10 |
滋賀県 |
滋賀県ふぐの取扱いの規制に関する条例 |
11 |
京都府 |
ふぐの取扱い及び販売に関する条例 |
12 |
大阪府 |
大阪府ふぐ販売営業等の規制に関する条例 |
13 |
奈良県 |
ふぐの販売及びふぐ処理師に関する条例 |
14 |
岡山県 |
岡山県ふぐ調理等規制条例 |
15 |
山口県 |
ふぐの処理の規制に関する条例 |
16 |
鳥取県 |
鳥取県ふぐの取扱に関する条例 |
17 |
香川県 |
香川県ふぐの処理等に関する条例 |
18 |
愛媛県 |
愛嬢県ふぐ取扱者条例 |
19 |
高知県 |
ふぐ取扱い条例 |
20 |
福岡県 |
福岡県ふぐ取扱条例 |
21 |
熊本県 |
熊本県ふぐ取扱条例 |
22 |
宮崎県 |
ふぐ取扱条例 |
23 |
鹿児島県 |
ふぐの取扱いの規制に関する条例 |
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河豚(ふぐ)のおいしさの秘密 |
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魚肉は主に赤身魚と白身魚に分けられますが、河豚(ふぐ)は代表的な白身魚です。普通の白身魚よりもたんぱく質が豊富で、脂肪がとても少ないのが特徴です。低カロリーであるのに加えて皮にはコラーゲンがたっぷり含まれていたりと美容と健康にもとてもオススメなふぐ。繊維が豊富なため弾力が強く歯応え抜群です。よってフグの刺身は普通の刺身と比較してもとても薄く切られているのです。うまみ成分をたっぷり含んだふぐ肉には甘みがあります。よく噛んで余韻までじっくり味わうのがよい。 |
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河豚(ふぐ)料理の種類 |
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「てっさ」河豚(ふぐ)の刺し身
河豚(ふぐ)料理の定番と言えば、刺身(別名・てっさ)。ふぐ本来の淡白な旨味と、歯応えある食感を楽しみたい方におすすめの料理。身が半透明に見えるほど薄く切られたふぐの刺身は1枚ずつ食べるのではなく、箸で数枚すくい、ネギやもみじおろしなどの薬味とともに、ポン酢または醤油に軽く付けて口に運ぶのが「通」の食べ方だと言われています。
味だけではなく見た目にも美しいふぐの刺身には、「菊盛り」「牡丹盛り」「鶴盛り」「亀盛り」「ま盛り」など芸術的な盛り方が様々あります。職人さんの芸術も楽しみましょう。 |
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「皮刺し」
河豚(ふぐ)の皮刺しは、湯引きした皮を細切りにした料理です。ゼラチン質でコラーゲンたっりのこりこりとした皮をポン酢と一緒に食べるとお酒が進みます。 |
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「てっちり」河豚(ふぐ)鍋・ふぐ雑炊
関西では「てっちり」と呼ばれるふぐ鍋は、フグの白身や骨、野菜、キノコ類を土鍋で煮込んだ料理のこと。昆布でとった熱い出汁が素材の味をやさしく包み込む、寒い季節にぴったりの鍋料理です。お好みで薬味やポン酢を加えて食べても美味しいでしょう。ふぐ鍋を堪能したあとは、フグの出汁がたっぷり取れたスープに白米を入れて「ふぐ雑炊」を作り、最後の一滴までスープを残さず食べることもできます。
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「 焼きふぐ」
ぷりぷりの白身や白子を炭火で焼き上げた「焼きふぐ」。塩を軽く振って食べたり、濃厚なタレにつけて焼いたりとお店によってそれぞれ異なった味わいを楽しめます。ふぐが焼き上がるにつれて漂う香ばしい匂いをかげば、食欲をそそられずにはいられません。特に白子を焼いたものは、表面はカリッと香ばしく、中はミルクのようにまろやかな味わいを楽しむことができます。 |
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「河豚(ふぐ)のから揚げ」
皮を剥いた切り身を油で揚げたふぐの唐揚げは、お酒のつまみに最適な料理です。カリカリの衣とふわふわの身がたまりません。かぼすやレモンの絞り汁もしくは塩をつけて、手でつまんで気軽に食べることができます。ふぐ好きの人々には、くちばし周辺の骨付き部分の唐揚げが特に好まれるのだそう。 |
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「河豚(ふぐ)煮凝り」
ゼラチン質の皮をもつふぐ。皮を煮込んで液体状にしたものに味付けをして冷やせば、ゼリー状の煮凝りが完成です。良質コラーゲンが含まれるふぐの皮は、低カロリーなのに高タンパク質の栄養食材としても知られています。 |
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「河豚(ふぐ)寿司」
一般的なふぐ料理と言えば、刺身や鍋ですが、ふぐ寿司も言わずと知れた絶品料理です。巻き寿司やにぎり寿司など、ふぐ寿司の種類はさまざま。もみじおろし、ネギ、ポン酢などのさわやかな薬味・調味料とともに食べるのがオススメです。 |
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「河豚(ふぐ)ひれ酒」
ふぐひれ酒とは、北海道南部に生息する「とらふぐ」のひれを天日干しで乾燥させたものを火であぶり、75度〜80度に熱した日本酒に入れて蒸した飲み物のこと。ふぐの濃厚なエキスが日本酒に染み出るため、いつもの熱燗とは違った味わいを楽しむことができます。 |
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河豚(ふぐ)の価格帯について |
ふぐの刺身は一人前で3,000円〜数千円前後が相場です。またコース料理でふぐを提供している専門店も少なくはありません。フルコースだと平均1〜3万円のふぐ料理ですが、なかには数千円から食べられる和食店もあります。ふぐの産地である九州・中国・四国地方では、ほかの地域よりも手頃な価格で新鮮なふぐを味わうことができます。ふぐの取扱量日本一の山口県・下関にある「唐戸市場」では、ふぐの刺身が1,000円台という驚愕の値段で食べられるそうです。 |
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